2025.07.02
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現代福祉マネジメント:薬物依存症という病気の理解と支援
7月2日、人間福祉学部 地域公開授業「現代福祉マネジメント」にて、NPO法人 岐阜ダルク施設長の遠山香さん、ダルクに通うマサヒコさん、ホタテさん、マーちゃんのお話を聴きました。遠山さんからは自身の薬物依存の経験から岐阜ダルクを立ち上げて今日に至る経緯をお話頂きました。他の3名からはご自身が様々な理由から薬物依存に陥り苦しみながら依存を断ち切る努力をされているお話がありました。当事者の皆さんから聞くお話はとても感動的で依存症の怖さと共に、陥ってしまった背景や治療に取り組む壮絶な努力に皆さん感動と勇気を頂きました。
【学生の感想】
これまで私は、薬物依存症は「自己責任」や「道徳的な問題」という誤った認識を持っていました。しかし、遠山氏の説明により、依存症が「病気」であることを学び、大きな衝撃を受けました。特に「依存症患者は悪人ではなく、最も苦しんでいる当事者である」という言葉が心に残りました。この講演を通じて、社会の偏見が回復の障壁となっている現実を深く理解し、自分自身の無知を反省する機会となりました。講演の最後に、アルコール依存症のマーさんが自身の体験を語る場面がありました。 涙ながらに話す姿は、私の心に強く響きました。家族や社会からの孤立が依存症を悪化させる一方で、共感と理解のある環境がどれほど回復に役立つかを実感しました。今回の講演を通じて、依存症問題は個人ではなく社会全体で取り組むべき課題であると認識しました。まずは自分自身が正しい知識を身につけ、周囲に誤解や偏見がある場合には積極的に情報を共有していきたいと思います。また、ダルクのような支援団体の活動に関心を持ち、機会があればボランティアなどで協力することを検討します。依存症者を支援するためには、医療や福祉の専門家だけでなく、地域社会の理解と協力が不可欠です。今後は、偏見のない社会づくりに微力ながらも貢献していきたいと考えています。 人間福祉学部 3年 留学生

NPO法人 岐阜ダルクの話を聞いて、依存症というのは必ずしもその人だけの問題ではないのだと思った。今回のお話を聞く前は、依存症になる人が悪いと思っていた。けど話を聞いてくうちに依存症になるのは、環境がものすごく大切なんだと感じた。依存症になる人は興味本位で始めたことにハマってしまい、そこから抜け出せなくなる人ばかりだと思っていた。けれど、家庭の環境だったり、追い込まれてしまいそこから逃げることしかできなくなることで薬物を始める人もいた。その人に責任がないというわけではないが、必ずしも好奇心でやってる人ばかりではないのだと知ることができた。遠山さんには家族がいる。周りからどんな目をされるのかわからない。そんな状況の中で自分と向き合い、依存症と戦う覚悟を決めたのは凄いことだと思う。日本にはたくさんの薬物依存症、アルコール依存症の人がいる。そんな人たちが自分と向き合う施設があるというのはとても大切なことだと思う。このような施設が全国的に広まり、少しでも多くの依存症患者を救って欲しいなと思う。
人間福祉学部 2年 S・R

今回の講演を聞いて、薬物依存症に対する自分の考えが大きく変わりました。これまでは「薬物に手を出す人は自己責任」とどこか冷たい目で見てしまっていましたが、それがどれほど無理解だったかに気づかされました。薬物依存症は、心の隙間や苦しみから逃げるために始まり、気づいたときには抜け出せなくなっている病気であるという話に、胸が痛くなりました。また、社会全体が偏見を持たず、「再出発を支える文化」を持つことが、依存症からの回復や再犯防止につながるのだと学びました。今後、自分がもし依存症の人と関わる機会があれば、理解と支援の気持ちを持って接したいと強く思いました。このようなテーマに向き合うことは、人としてのあり方を問われる大切な学びだと感じました。
人間福祉学部 2年 T・K

正直、この講義を受けるまで、依存者の方は怖い人たちばかりであるというイメージが、私のなかで強く根付いていた。しかし、皆さんのお話しを聴いて、どの人も心の奥底はとても繊細で優しく、誰よりも人を思いやれる人であったことが感じ取れた。当事者であったからこそ分かる、依存症の辛さ/苦しさを多くの人に知ってもらい、一人でも被害者を減らそうと活動を続けている岐阜ダルクの方々の想いは深く私の心に刺さった。己の過去と向き合い、正しく生きようとするその姿は、同じ依存症を抱えている人々の大きな希望となっているだろう。これからの活動も応援したいと考えるとともに、一人でも多くの依存症の方が、依存をしないような幸せな生活を送れることを私は願っている。
人間福祉学部 2年 T・S

薬物依存症についての話を聞き、この病気への理解が深まった。依存症は違法薬物だけでなく、アルコールやタバコ、中国で問題となっているビンロウジュなど、薬物に支配されてしまって様々な物質が対象となる。発表者の体験談から、依存症は単なる意志の弱さではなく、複雑な要因が絡む「病気」であることが分かった。特に、依存症患者の人間性の損傷、友達や家族の信用を失い、支援の必要性を強く感じた。中国ではビンロウジュ依存による口腔癌が深刻だが、これを単なる個人の責任とせず、社会全体で取り組むべき問題だと気付いた。依存症への偏見をなくし、適切な治療とサポート体制を整えることが重要だと考える。この講演を通じ、依存症問題への見方が変わった。
人間福祉学部 4年 留学生
今日は薬物依存についての話を聞いて、以前よりも薬物依存症という病気の理解を深めることができた。実際の利用者さんの話を聞いて、依存症になってしまうきっかけや、依存症になる辛さなどを知ることができた。初めて依存症を経験した方からの話を聞いたが、自分が思っていたよりも大変な苦労をされていて依存症の大変さを知ることができた。薬物をやめることよりも、その人の生き方を変えていくということが大切で、ダルクでプログラムが行われていると分かり、これからも依存症について知っていきたいと考えた。
人間福祉学部 2年 O・R