「現代マネジメント研究」第5回 根本一徹氏 講義|中部学院大学・中部学院大学短期大学部ホームページ

「現代マネジメント研究」第5回 根本一徹氏 講義

2022年度 中部学院大学・シティカレッジ関・各務原 公開講座

第5回「パンデミックで死生観は変わったのか!?」

臨済宗妙心寺派神宮山大禅寺住職
根本 一徹 氏

幸福度を上げましょうと感謝の心を話す根本氏 幸福度を上げましょうと感謝の心を話す根本氏

「現代マネジメント研究」第5回の公開講座が6月20日、関キャンパスであり、神宮山大禅寺住職の根本一徹氏が講演しました。同講座は各界のトップリーダーを講師に招き、グローバルな視点とマネジメント能力を持つ人材の育成を目的に開催しています。教育学部、人間福祉学部、短期大学部の学生や聴講を希望した市民ら約150人が参加しました。

根本氏は岐阜県関市の大禅寺住職を務める傍ら、2004年から自殺防止の活動を続けています。活動の原点となっているのは、若くして経験した身近な人たちの自殺でした。叔父や友人を亡くし、「どうして彼らが死を選んだのか、その答えを探して悩み続けた」と振り返ります。年間3000人以上の人から手紙や電話、メール、SNSなどあらゆる形で相談を受けてきましたが、すべてをこなすには限界があり、体調を崩した時期も。現在は対面の相談から始めることを基本とし、フェイスブックやオンラインでも相談を受け付けています。

自殺防止の活動について講演する根本一徹氏 自殺防止の活動について講演する根本一徹氏

はじめに根本氏は東京から相談に訪れた30代の女性の例を紹介しました。女性は心の悩みから心療内科に通い、家の中で奇妙な音がしたり、幽霊のような男性が見えるポルターガイスト現象を経験したと言います。 しかし根本氏の寺で何回も座禅をしてからは穏やかな気持ちになり、周囲の美しい田園風景に感動して涙を流しました。東京に戻ってからも夕焼けを見ながら座禅を続けることを根本氏と約束し、やがて心の平穏を取り戻したと言います。

相談に訪れた英国人女性を撮影した映画(ショートムービー)も上映されました。女性は母親を病気で亡くし、父親との関係にも思い悩んで寺を訪れます。そこで他の人々とワークショップ「旅立ち」を体験し、「地平線の向こうに親の姿を見ることができ、助けられた」と現在の心境を話します。

このワークショップ「旅立ち」は根本さんが実践している疑似葬儀の試みです。参加者は病魔に侵された自分を想像し、大切な人、思い出、やりたい事などを書いたカードを一枚ずつ捨てていきます。カードは12枚を用意し、死期が近づくたびに1-3枚のカードを捨てていきます。参加者は「旅立ち」で自らの内面と向き合うことで臨終体験をします。

根本さんは「寺に来る人は生きる目的が見つからず、早く死にたいという人が多い。旅立ちでは一回死んだつもりで自分の人生を俯瞰して眺めてもらう。そして死のステージが進むごとに命の大切さ、自分にとって何が大切なのかを見つけてほしい」と話します。

岐阜市の岐阜大学付属小中学校でオンラインで行った命や死について考える授業も紹介しました。小学4年生70人が事前に「命って何」「死んだらどうなるの」などの質問を用意。根本さんはオンラインで「命とは時間。命が無くなれば時間は止まってしまう。死んでしまえば時間は止まり、地球に再び戻る」と答えました。「葬式があるのはなぜ」という質問には「その人が残してくれた物は何だったかを思い出すため。みんなの命の中にその人の思い出が染み込み、生き続ける」と回答。「命が大切なのに人はなぜ戦争をしたり、環境破壊をするの」という質問には「命はすごく大切なものだとみんなが伝え、世の中を変えてほしい」と児童たちに呼びかけました。

根本さんは幸福度を高めるため、学生たちに仏教の「慈悲喜捨(じひきしゃ)」という言葉を伝えました。「慈はいつくしむこと。悲は共に悲しむこと。喜は良いことがあれば一緒に喜ぶ。そして捨は捨てること。執着を捨て、プライドを捨てる」と心の在り方を説きました。さらに捨てることにつながる修身の言葉として孔子の五德「温良恭倹譲」も紹介しました。

根本氏は「幸福度を上げるためには感謝されることよりも、感謝することが大切。幸福度を高くする『おかげさま』という感謝の気持ちを忘れないで」と語り、最後に「幸福のモデルはシャンパンタワーです。ピラミッド状で上から順にいっぱいになり、だんだんと下に満ちあふれていく。それが幸福度のイメージであり、人々に広がっていきます。感謝する心でシャンパンタワーを広げていきましょう」と会場の学生や市民に呼びかけました。

 

根本氏に質問する男子学生 根本氏に質問する男子学生
禅宗の教えについても語る根本一徹氏 禅宗の教えについても語る根本一徹氏

                                                                                    (文責:碓井 洋  写真:林 賢一)

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