現代福祉マネジメント「薬物依存症からの回復」

 さる7月8日、9回目になる地域公開授業「現代福祉マネジメント」を行いました。今回は自らも薬物依存の経験がありNPO法人AJU岐阜ダルクを立ち上げた施設長 遠 山 香 氏と、覚せい剤依存の経験があり現在はスタッフのテッちゃん、オーバードーズで現在ダルクを利用して回復を頑張っているミグさんの3名からお話しを聞きました。実体験に基づくお話に多くの学生が感銘を受けました。以下は学生達の感想です。
人間福祉学部  2年生   U・S
 3人のお話を聞いて、薬物依存の孤独さとダルクという存在のすごさを知った。どの人も周りには隠して苦しんでいたという話を聞いて自分も心が痛んだ。依存症を治す際に病院に行って治すのではなく、ミーティングで自分の事を正直に話すことで治ったという事実に驚いた。今まで自分のことを隠して生きてきた中で、正直に話すことで自分と向き合って自分を共有できる人ができることがとても大きなことだと分かった。もしかしたら自分も依存に陥るかもしれないし、周りで隠して生きている人もいると思う。薬に手を出す前に周りの苦しみに気付けるのが一番良いのでできれば自分が助けになれたらと思った。ダルクという存在が広まるだけで救われる人はたくさんいるので、これから色んな人に伝えていきたい。3人の人にはもうずっと幸せでいてほしいです。
 ご自身で恥ずかしいとも言っているお話をこのように聞けて、苦しさや思いを知ることができた。貴重な経験をありがとうございました。
人間福祉学部  2年生   H・Y
 驚かされる話ばかりだった。みなさんの話を聞いていて、「かっこいいな」「素敵だな」と思う瞬間がたくさんあった。覚せい剤の使用は犯罪行為である。遠山さんとテッちゃんは過去に悪いことをした、いわば犯罪者である。にもかかわらず、彼らの生き方がかっこいいと思った。特にテッちゃんの話は驚いた。東京の大学を出て銀行に勤めていたという点も、彼自身がゲイであるという点も、そして、ゲイとして生きていた夜の彼の姿にも、何度も驚かされた。私はゲイだと公表した人に会うのは初めてだった。LGBTの問題が浸透しつつある現代で、そして初対面の私たちの前で、自分のことを語るのはとても勇気がいることだと思う。彼の葛藤や今までの苦悩を思うと、話を聞く中で涙が出てきた。
 薬物依存は「逃げ」だと述べられた瞬間があった。講義を聴く前は、薬物依存に陥る人なんて全く理解ができないと思っていた。しかし、テッちゃんのような逃げたくなるような気持ちになったとき、手を差し伸べてくれる人がいなかったとき、薬物一つで気持ちが和らぐなら使用するかもしれないと思ってしまった。少しでも楽になりたい、本当の自分でいたいという気持ちのあらわれなのではと思った。
 薬物依存の問題とともに、LGBTについても考えさせられた。「薬物依存は孤独の病である」という遠山さんの言葉がとても心に残った。自分の本当のことを伝えたくてもできないために、薬物へつながる。講義を通して、薬物を使用したという事実だけを見るのではなく、その背景には何があったのかを知る。それこそが回復につながるのではないかと思った。

人間福祉学部  2年生   Y・S
 今回の講義を聞いて、依存症は本人の意志が弱いからなるものではなく、さまざまな生きづらさや孤独、家庭環境などが重なって起こる病気なのだと感じた。特に印象に残ったのは、3人とも「誰にも本当のことを話せなかった」という共通点があったことである。周囲に理解されない苦しさや、隠し続けることのつらさが依存を深めてしまうことを知り、とても考えさせられた。
 また、ダルクでは自分の過去や気持ちを正直に話し、仲間に受け止めてもらえることで少しずつ回復していく姿が印象的だった。支援とは薬や治療だけではなく、「否定せずに話を聞いてくれる人」や「同じ経験をした仲間」の存在も大きな力になるのだと感じた。
 私は社会福祉を学んでいるため、支援を必要としている人に対して先入観を持たず、その人の背景や気持ちを理解しようとする姿勢を大切にしたいと思った。そして、困っている人が安心して相談できる支援者になれるよう、これからも知識だけでなく相手に寄り添う姿勢も身につけていきたい。

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