2025.07.17
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「現代マネジメント研究」第7回 東千晴氏 講義
2025年度 中部学院大学・シティカレッジ関・各務原 公開講座
第7回 「伝わる話し方~岐阜県は面白い~」
岐阜放送アナウンサー
東 千晴 氏

「現代マネジメント研究」第7回の公開講座は6月30日、関キャンパスで開講し、岐阜放送アナウンサーの東千晴さんが「伝わる話し方~岐阜県は面白い~」をテーマに講義した。同講座には教育学部、人間福祉学部、スポーツ健康科学部、短期大学部の学生132人と聴講を申し込んだ市民29人が出席した。
東さんは岐阜県土岐市生まれで、南山大学人文学部を卒業し、2012(平成24)年に岐阜放送に入社。営業職を経て三年後に報道制作局のアナウンサーに抜擢された。2021(令和3)年の東京オリンピック聖火リレー岐阜県式典の司会をはじめ、タレントの木村拓哉さんが武者行列に出演して注目された「岐阜信長まつり」や「清流の国ぎふ」文化祭2024の開会式でも司会を務めた。現在は岐阜放送の報道番組「ぎふサテ!」や情報バラエティ番組「めっちゃぎふわかるてれび」を担当している。

東さんは「大学を卒業してアナウンサーを目指したが、民放各社の試験に全部落ちた。岐阜放送には営業職で入社し、三年後にアナウンサーになるチャンスを与えられた。初めてラジオニュースを読んだ時は緊張のあまりストレス性高体温症で38度の熱を出した」と失敗談を披露。「アナウンサーという職業はめちゃくちゃく緊張することがある。五月に開かれた全国都市緑化祭に来賓の佳子内親王殿下が来岐された。式典では絶対に間違えてはいけないと思い、佳子様の名前を毎日繰り返して暗唱した。緊張に打ち勝つには練習あるのみ。自分がやりきったと思えるまで練習して臨んだ」と振り返った。
「芸能人との仕事も勉強になった」とエピソードを紹介。県農業フェスティバルで共演したお笑いタレントの小島よしおさん、ファンへの「神対応」で知られ一日に二千五百人と握手したこともある元アイドルの須田亜香里さん、膝の手術をして走れないにもかかわらず中津川市リレーマラソンにゲスト出演した森脇健司さん、対談で緊張する東さんに優しい言葉をかけてくれた女優の夏木マリさんらとの交流を話した。長良川花火大会で花火が二十五分間も打ち上がらないアクシデントが起きた際には、生放送番組でゲストのタレントふかわりょうさんの冷静な対応に助けられたという。
アナウンサーとして常に心がけているのは東海地方特有のアクセントに気をつけ、標準語で話すこと。「服、靴、鏡、カレー、県庁、水族館」など日常的な言葉を例にしてアクセントの違いを学生に分かりやすく説明した。また岐阜県内の観光スポットを「押し」として挙げ、岐阜市の岐阜公園にオープンした岐阜城楽市、日本三大仏に数えられる大きさの岐阜大仏、「おちょぼ稲荷」でにぎわう海津市のお千代保稲荷神社を紹介した。
東さんは最後に「伝わる話し方」として「細かい話し方の技術よりも自分の引き出しをたくさん持つこと。ChatGPTなどを使えば何でも分かるが、自分が実感した話でなければ人にはうまく伝わらない。学生の皆さんは行きたいところに行き、何でもやって引き出しを増やそう。そして体験をメモに残しましょう。私も仕事で知り合った人や体験はメモしている。メモに書き残して自分の人生の財産にしてほしい」とエールを送った。
会場の学生からは「プロのアナウンサーの話し方は分かりやすく、大変勉強になった」「東さんの明るく爽やかな声が素敵だった」など共感する声が聞かれた。


(文責・碓井 洋 写真・野尻信一郎、小林康将、林賢一)