2025.05.22
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現代福祉マネジメント:重度障害の曽我部弘樹さんが授業を行いました

5月22日、人間福祉学部 地域公開講座「現代福祉マネジメント」にて、一般社団法人日本ユニバーサルデザインライフ協会[ジャデラス]会長 曽我部 弘樹 氏が授業を行いました。教室には地域の皆さんと学生、合わせて60人ほどが聴講しました。地域公開授業はこれからも続きます。地域からのご聴講もお待ちしています。
曽我部さんは、車いすに乗って同法人の会員である丹羽さんの力を借り教室に登場しました。曽我部さんは、生まれた時に生じた脳性麻痺による高レベルの言語障害と肢体障害があり、唯一思い通りに動く左手、人差し指1本で電子文字盤に文字を打ってコミュニケーションをとります。お話しのタイトルは、『“無口な男”が、指先と顔面で語る !?「だ~れも教えてくんない現代福祉の基礎知識(本当)」』でした。生まれてから58歳になる現在までの人生と現在の活躍の様子、その中で感じた、障害のこと、福祉のこと、芸術のこと、そして社会や 1人1人の多様性の捉え方など、貴重なお話を聞くことができました。学生たちの感想の一部を掲載します。
【学生の感想】

私は福祉についての捉え方が大きく揺さぶられました。タイトル通り、本音で語られる福祉の実態や現場の課題について、ユーモアと情熱を交えながら伝えていたことが印象的でした。特に「無口な男が、指先と顔面で語る」という表現からもわかるように、言葉にならない思いや、非言語コミュニケーションの大切さに強く共感しました。福祉というと、制度や支援といった枠組みばかりが注目されがちですが、曽我部氏は一貫して「人と人との関係性」や「当たり前を疑う視点」の重要性を語っていて、改めて福祉とは日常の中に根ざしたものであると気づかされました。
(人間福祉学部 2年 T・H )
「障害にあるなしに関わらず、できないことは人に託す」という言葉に私はすごく納得しました。障害のある人もない人も平等に助けてもらったり、助けたりしてもよいという世の中であり、助けてもらうことに対する抵抗を無くしていかなければならないと思いました。今の世の中は手伝ってもらったり助けてもらったりすることに慣れていないように感じます。私も「申し訳ない」と感じてしまい言い出せなかったり、自分で何とかしようとしたりと人に託すことをあきらめてしまいます。そんなことが当たり前になるのではなく「できないことを人に託す」これがもっと世間に流通すればもっと生きやすくなると思いました。
(人間福祉学部 2年 M・M)
終盤に曽我部さんは「多様性」のなかにも相手との同調を見つけることの大切さについて話していました。私は「多様性」とは互いに違ってもいい。違いを理解する。などの他人は他人、自分は自分という考え方をしていました。しかし他人と自分を割り切る考え方でなくもっと温かい「多様性」について考えていきたいです。
(人間福祉学部2年 M・A)
私たち支援する立場の人間としてもハンデのある人にすぐ手を差し伸べるのではなく、まずはその人が「何をしたいのか」「どう支えられたいのか」を理解し、そのニーズに合った質の高い支援をすることが大切だと気づかされました。
今回の授業を通して座学だけでは学びきれない、当事者の方の生の声や視点に触れることができ、私たちの支援のあり方や考え方を見直す必要があると強く感じました。支援する側の思い込みで行動するのではなく、当事者の意見をきちんと反映させていく姿勢が大切だと考えさせられました。
(人間福祉学部 2年 M・M)
学生時代の曾我部さん自身は、健常者の人に、「障がいがあってもこれだけできるんだ」というよりも、「障がい者だからこれだけやれるんだ」と思われてほしいと話されていた。
社会では、介護を必要とする人のためのサービスや設備がたくさんあるが、実際にサービスを受ける曾我部さんは、介護の仕方などに違和感を持つることもあると話された。社会にある介護サービスは、専門家などの多くの人の意見が取り入れられているが、実際にサービスを受ける人からしたら、介護をする側の人のために作られたと考えてしまうようなものが多い。福祉を提供するうえで、は当事者の困ったことを理解することが大切。
(人間福祉学部 2年 O・R)
