2026.06.17
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現代マネジメント研究 第5回 坂口輝光氏 講義
2026年度 中部学院大学・シティカレッジ関・各務原公開講座
第5回 「大人は面白い」
坂口捺染代表取締役
坂口 輝光氏
「人と人のつながりを何よりも大事にしている。人こそがうちの会社の魅力」と熱く語る坂口輝光社長
茶髪にTシャツ、ジーパン姿で登壇した坂口社長は「人と人のつながりを何よりも大事にしている。人こそがうちの会社の魅力だ」と熱のこもった講義を繰り広げ、教育学部、人間福祉学部、スポーツ健康科学部、短期大学部の学生や市民ら約160人が聞き入った。
学生と市民ら160人が坂口社長の「白熱教室」に耳を傾けた現代マネジメント研究講座
坂口捺染は坂口社長の祖父が着物を染める会社として創業し、父親の代で衣類を印刷するプリント業に転身した。坂口社長は米国の大学留学を終えて帰国し、専務になった頃は従業員が14人程度。そこから3代目社長として異色の経営手腕を発揮し、従業員は230人に急増。売上高も社長就任時の1億円から10億円まで拡大した。マスコミにも多く登場して「岐阜のクセ強社長」として知られるが、話せば「近所の兄貴」のような人懐こさ、フランクさで周囲の人を引き付ける。
坂口社長は「どの会社も人手不足と言っているが、うちは毎回50人以上の応募がある。社員230人のうち、パートの女性が200人。働きたいと思っている近所の主婦やシングルマザー、おじいちゃん、おばあちゃんら高齢者、障害のある人には正規雇用では働く場所がない。うちは従業員が自由に出退時間を決められる制度やフレックスタイム制を導入し、従業員一人ひとりと向き合う姿勢を貫いている」と語り、独自の「働いてもらい方改革」をアピールした。
坂口捺染の本社工場には駄菓子屋がある。コロナ禍で行くところがなくなった子供たちの居場所になればと坂口社長が自ら始めた。最初は数人の客だったが、やがて100人を超える子供たちが集まる場所となり、自然とその親たちも来るように。親も駄菓子屋と工場の仕事を見るうちに「ここで働いてみたい」と求人に応募してくれる好循環が生まれたという。工場にはカフェやオリジナルブランドを扱うショップもあり、地域のコミュニティーともなっている。子供たちを盛り上げようと会社の利益で花火大会を開催し、5000発の花火を上げた。住民約1万人が観賞したという。
最後に「何かやってみようと思ったら、あきらめずにトライしてくれ」と学生にエールを送る坂口社長
同社の掲げる経営理念は「繋がりを軸に一人ひとり光輝く未来を」。坂口社長は「最近は夢を持てない学生が多いと言われる。子供が夢を持てるかどうかは大人になりたいという夢を持てるかどうか。周りの大人が生き生きと夢を持って働いていれば、子供も早く大人になりたいと思う」と強調。大人はルールを作って社会に縛りつけようとする。コンプライアンス、セクハラ、モラハラなどの言葉も大人が作ったルールでそう思わされているだけ。巨人軍の阿部監督が退任した事件でChatGPTが話題になったが、これもAIで正解ばかり追い求める大人が悪い。感情を持ち、泣き、怒るのが人間。ChatGPTには感情がないから人生のプラスにはならない」と持論を展開した。
最後に坂口社長は「社長は従業員を信じ、一人一人に寄り添ってあげないといけない。うちの会社の魅力は人であり、一生涯その人の面倒を見るという思いで接している」「この講義で話す内容は関係ない。おれが熱く話すのを聞いて心に何か感情が生まれてくれればいい。何かやってみようと思ったら、あきらめずにトライしてほしい。世の中のせいにせずトライしてくれ」と熱弁を振るい、個性豊かな「坂口語録」で学生と市民を圧倒していた。
(文責・碓井洋 写真・小林康将、林賢一)
茶髪、Tシャツ、ジーパン姿で登壇し、「営業はスーツが基本だが、おれみたいな服装だと逆に覚えてもらえる」とマイナス効果を語る坂口社長
閉会の辞で感謝の言葉を述べる片桐多恵子・済美学院長(左)