「現代マネジメント研究」第4回 葛西聖司氏 講義

2026年度 中部学院大学・シティカレッジ関・各務原公開講座

第4回 「映画『国宝』はなぜ大ヒットしたのか~岐阜県の地歌舞伎 その底力~」

古典芸能解説者、本学客員教授  葛西 聖司氏

「現代マネジメント研究」第4回の公開講座は5月25日、関キャンパスで行われ、古典芸能解説者の葛西聖司氏が岐阜県に伝承されている地歌舞伎の魅力や歌舞伎など古典芸能に親しむことの楽しさをアピールした。
 同講座には教育学部、人間福祉学部、スポーツ健康科学部、短期大学部の学生と一般市民ら約160人が出席。葛西氏は「岐阜県は歌舞伎の古里と呼んでいいほど多くの芝居小屋が残っている。演じる役者や衣装、化粧の出来る人も多い。地芝居大国と呼んでもいい」と指摘。「全国の芝居小屋は秋田県から熊本県まであるが、有名な香川県の旧金比羅大芝居など大抵は1県に1、2カ所。ところが岐阜県には各務原市の村国座、下呂市の白雲座など8カ所も芝居小屋がある」と言い、学生時代に本物の地芝居や歌舞伎を見てほしいと呼びかけた。
白板にペンで「大芝居、地芝居」と書き、古典芸能の歴史を分かりやすく解説する葛西氏 白板にペンで「大芝居、地芝居」と書き、古典芸能の歴史を分かりやすく解説する葛西氏
 葛西氏は「江戸や上方で流行した歌舞伎は大芝居。大都会のスター役者にあこがれた地方の人たちが大芝居をまねて地芝居を演じ、連綿と受け継がれてきた。しかし江戸時代から続いていた訳ではない。昭和から平成の初めにかけてふるさと創生の気運が高まり、地芝居が再評価された。その成果が岐阜県では昨年開催された国民文化祭で見事に花開いた」と強調した。 
 葛西氏はDVDを上映し、国民文化祭で演じられた子ども歌舞伎や明智光秀に題材を取った歌舞伎「絵本太功記」を解説。「お染久松」の男女の早替わり、「鷺娘」で鷺の精を演じる坂東玉三郎、「義経千本桜」で狐が演じた宙乗りなど歌舞伎の名場面を次々に見せて、古典芸能の世界に学生を引き込んだ。
 変わり種では「岐阜、愛知にはとんでもない獅子芝居が伝わっている」として、獅子頭をかぶった舞手が女形を演じる「岐南町の伏屋の獅子芝居」を紹介。江戸時代に幕府が歌舞伎を禁止したため、神社に奉納する獅子舞として地方で伝承された歴史に触れた。このほか「仮名手本忠臣蔵」「菅原伝授手習鑑」など難しい古典の読み方を学生に教え、昨年大ヒットした映画「国宝」で歌舞伎を演じた吉沢亮ら若手俳優を高山市出身の日本舞踊家・谷口裕和さんが指導したエピソードも披露した。
学生と市民ら160人が歌舞伎と地芝居の魅力に耳を傾けた現代マネジメント研究講座 学生と市民ら160人が歌舞伎と地芝居の魅力に耳を傾けた現代マネジメント研究講座
「岐阜は地芝居大国と呼んでもいい。ぜひ本物の地芝居や歌舞伎に触れてほしい」と呼びかける葛西聖司氏 「岐阜は地芝居大国と呼んでもいい。ぜひ本物の地芝居や歌舞伎に触れてほしい」と呼びかける葛西聖司氏
 最後に学生からアナウンサーを志望した理由を聞かれた葛西氏は「NHKに入りたいと思ったのは舞台中継がやりたかったから。ところが鳥取県、宮崎県と地方局勤務が続き、あこがれの舞台中継はできず、初めて宝塚歌劇の中継をした時は涙が出た」と振り返った。学生に向かって「やりたいことがあっても簡単には実現できない時がある。でもやりたいことを忘れずに、時間をかければ実現できる。皆さんには未来の時間がいっぱいある。それぞれ夢を持って大学を巣立ってください」と温かいエールを送った。
(文責・碓井洋  写真・小林康将、林賢一)

豊富なDVD画像で歌舞伎の名場面を紹介し、学生に語り掛ける葛西氏  豊富なDVD画像で歌舞伎の名場面を紹介し、学生に語り掛ける葛西氏 
開会の辞で葛西聖司氏の略歴を紹介する片桐史恵学長  開会の辞で葛西聖司氏の略歴を紹介する片桐史恵学長 

関連情報

幼児教育学科「3年コース」スタート

幼児教育学科「3年コース」スタート

7月4日(土)第25回ぎふLD・ADHD等学習会を開催します

7月4日(土)第25回ぎふLD・ADHD等学習会を開催します

「現代マネジメント研究」第3回 江崎禎英氏 講義

「現代マネジメント研究」第3回 江崎禎英氏 講義