幼児教育学科

子ども未来セミナーⅣ 小野田正利氏が学生とワークショップを開きました

文部科学省の学生支援推進プログラムの一環として、イチャモン研究の第一人者として知られる大阪大学大学院人間科学研究科の小野田正利教授を講師に招いて、講演会ならびにワークショップを2月8日、関キャンパスで開催しました。

講演会の様子

小野田先生は、近年、社会問題化している"親のイチャモン"いわゆる無理難題な要求に関して、学校と親の新たな関係づくりなどを研究しています。今回はこれまで開催してきた子ども未来セミナーとの共催で開き、学生を中心に、幼稚園や保育園の保育士など約250人が参加しました。

前半は、小野田先生が「親はモンスターじゃない~向き合う気持ちと共同性~」と題して講演。トレードマークの黄色いジャケットで登場した小野田先生は、暗いイメージのあるイチャモンの問題点について、ユーモアを交え、笑いを誘いながら楽しく講義しました。
時にはかみしめるように、時には大きな声を張り上げて、具体的な事例を紹介しながら、現状認識に迫り、解決策を次々に示しました。小野田先生は、現代は "自子中心"(=自分の子ども中心)の親が増え、先生たちが苦慮している実態を紹介しながら、「親はモンスターではなく、人間なのだ。人間として向き合うことが大切であり、イチャモンなど挙げた拳の源にある背景(原因)を探ることが重要である」と語りました。
小野田先生は、「現代では生きづらさと葛藤を抱えながら生きている人が多く、年代を問わず孤立している人が多い」と分析。その上で、共同性を大切にすることの重要性を伝え、「共同性は単なる話し合いや研修会からは生まれない。汗と笑いから生まれるものだ。教師と親が一緒になって子どもをどのように伸ばしていくかを考えていくことが重要」と語りました。

後半は、幼児教育学科の2年生100人がワークショップに臨みました。6人単位のグループの中で保護者と学校側の二手に分かれ、具体的な要望や苦情をもとにしたロールプレイングを行い、イチャモンについて体験的に学びました。まず、卒業アルバムに載っているわが子の写真の枚数が少ないという苦情を提示。学生は、最初は戸惑いながらも役に挑み、それぞれの立場の思いを体験しました。小野田先生は「役割を演じて、どんな気持ちになったのかを知ることは大切であり、人にはいろいろな見方や感情の動きがあることを知ることに意義がある」と話しました。また感染症にかかった園児の登園をめぐる事例では、「園側は(親が要望する)すべてを受け止めて説明や説得に努めるのではなく、病気の知識をともに深めるなど別の土俵を作り、一緒に考えてもらうことが大切」と出口を示唆しました。

ワークショップの様子

ワークショップ中の学生

このように保護者と向き合い、ともに考えることで出口が見えてくること、教師一人で悩みを抱え込まないで誰かと共有することが必要であると語り、「トラブルは起きる。トラブルを恐れず拡大させないようにしよう」「職種の違う友人を作り、愚痴をこぼす場を作ろう」「睡眠をしっかりとろう」など職場を支えている小野田先生ならではの助言がなされ、最後に「教師は未来への希望を紡ぐ存在だ。定年まで元気で、定年後も元気で!」というメッセージで締めくくりました。

ご本人による「小野田正利プロフィール」(抜粋)

外見はカンニング竹山、講演はきみまろ?

1955年、愛知県生まれ。顔は、車だん吉と、カンニングの竹山を足して2で割ったようだと、よく言われます。講演風景は、まさにライブで綾小路きみまろに似ている、しゃべりは金八先生のようだと評されることが多くなりました。現在、大阪大学大学院教授・人間科学研究科。教育に関する制度や環境、行政や政策そして法律などを専門領域としています。

真実は現場に~「地をはう」活動

比較のためにフランスの学校と教育の研究をちょっとだけやりつつ、日本の学校と教職員の“等身大の姿”を明らかにすることを自分のライフワークとしています。『片小ナビ~保護者のための片山小学校ガイドブック』づくり、学校讃歌ブックレットシリーズの発行、イチャモンの研究など、阪大の教育制度学研究室は、「どろをさらい、地をはう路線」を追求しています。

ご本人による自画像

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