経営学部

「現代マネジメント研究」 第4回 小島紀夫氏 講義

2018.05.29

2018年度 中部学院大学・シティカレッジ各務原/関 公開講座

第4回 「めぐり、つながる。人、コト、こころ・・・」
    ~演出・プロデュースの現場を通して見えてくるもの~
演出家・プロデューサー・(公財)岐阜県教育文化財団総合プロデューサ兼支配人
小島紀夫氏

中部学院大学・中部学院大学短期大学部などがその構成員となっている「学校法人岐阜済美学院」は、2018年に創立100周年を迎えました。

これを機に、経営学部の前身である短期大学部経営情報学科時代から十数年間の伝統を誇る「現代産業研究」を新に「現代マネジメント研究」と改称し、全学的な選択履修を可能にするとともに、シティカレッジ関の皆様にも参加いただけるよう生まれ変わってスタートしました。

5月29日(火)、今年度第4回の「現代マネジメント研究」を開催し、講師を演出家・プロデューサーで公益財団法人岐阜県教育文化財団総合プロデューサー兼支配人であられる小島紀夫氏にお願いし、経営・教育・スポーツ健康科学の各学部生約250人が拝聴しました。

氏はまず、ご自身の今までの振り返りや、新たな発見をすることも出来たと、本講座の機会をいただいたことへの感謝を述べられ、昨年11月の「学校法人岐阜済美学院創立100周年記念祭典」のプロデュースのお話から始められました。

祭典は学院の「100年」の意味を考えるだけでなく、「人づくり」という使命を未来に「つなぐ」ものとして捉え、『未来へのカンタータ』(註:器楽伴奏付きの、声楽などによる音楽作品)として制作されました。

小島紀夫氏

学び舎の源泉から湧き出る水滴の一雫ひと雫が仲間をともない川となり、大河へと流れ、明日の空へと舞い上がる。そして、それぞれが光を受けて虹をかける。そんなイメージのもと、学舎のカリヨンの音が100鐘を奏でるのにはじまり、ハープの音色が流れる様に物語を紡ぎ、様々な学び舎の声が響き合う中、吹奏楽を加え、済美学院でしか出来ない大アンサンブルへ向かう。という「学院関係者により表現する物語」により、済美学院の感謝と矜持を届ける。という内容でした。

学院がかかげた「NEXT100」の精神は本年2月、氏が手がけられた徳島県で開催の「第九アジア初演100年を記念コンサート」にも活かされたそうです。今一度、100周年記念祭典を思い出してみると、改めて未来へのカンタータの語るものが見えてくるようです。

講義の様子

講義の様子

氏の創作を振り返ってみると、例えば2005年の『自然の叡智』をテーマに開催された「愛・地球博」の総合開会式のシーンでは、地球温暖化への警鐘を未来から来た子どもたちからのメッセージで伝えられたそうです。
オーケストラ演奏に合わせての朗読、合唱が調和する中、「未来の私たちのために立ち上がってください。約束の日にしてください」と、未来の子どもが約束のポーズ(世界共通の手話「アイラブユー」)で呼びかけ、会場の皆さんとともに高くかかげることが共感を呼んだそうです。
天皇皇后両陛下ならびに皇太子殿下が呼びかけに応じられ約束の表現をされるお姿が、そのシーンの持つ意味を一層意味深いものに成し得たと感じられたそうです。

この他、全国的に演出・プロデュース活動をされる中、近年岐阜県で開催された事業だけでも、ぎふ清流国体・全国障害者スポーツ大会(2012)、全国育樹祭(2015・岐阜県)、全国リクリエーション大会in岐阜(2016)、全国担い手サミット(2016・岐阜県)等々と、氏の壮大なプロデュースは枚挙に暇がありません。

幼い頃の氏は、他人とのコミュニケーションが苦手で、絵を描いたりパズルをしたりとひとり屋内で遊ぶことが多かったそうですが、小学校時代には休み時間を利用して「くじ引き」のような店を出して友達を集めたり、留学生の送別会では、率先して参加型ゲームを考案したりと意欲的に取り組んだそうです。「人との関わりを必死で模索していたのでは・・・、多分、友達が恋しかったのでしょう。色んなアイディアを出すことで、人との関わりの機会をつくっていたのでしょう。」と当時を分析されました。

小島紀夫氏

アイディアの極めつけとして思い出されたのは、中学校の体育大会の応援合戦、その応援団の登場シーンだそうです。
四方をふすまで隠した中からハト(お寺で捕まえてきた)を飛ばした後、そのふすまを破って応援団が登場する、というものだったそうです。応援合戦は優勝。
そうした幼少からの自分が今の自分につながっているとされました。

氏は演出を考えるときには、何のためかという「目的」を考え、常にアンテナを張り巡らせて「情報」を集め、その「目的」にあった演出を企てているとのこと。
今あるものを組み合わせる想像をする事で新しい創造がうまれる、とも話されました。
大事なのは、その企てが本当にその「目的」に向かっているかを確認することで、「手段」と「目的」が逆転していないかを繰り返し確認して編集していく、とのこと。
また、思考を巡らせる場合は、必ずその場へ出かけることをされるそうです。

アイディアに詰まった時には、「歩きながら考える」・「寝る」・「自然や芸術に触れる」ことをされているそうで、2012年のぎふ清流国体の時には、長良川の流れをみていたときに〝県民の笑顔の集まり〟でキラキラ輝く清流を表現することを思い浮かべられたそうです。

氏は「できないことを考えるのではなく、できることを考える。」を信条に、障害のある人たちと一緒になって岐阜の文化を育てておられます。
最後に学生諸君に、“誰もが誰かを支えながら思いは形になる”「みんな、必ず誰かのために生きている。自信を持って。」と、熱いメッセージを贈られました。

(文:今井春昭 写真:野口晃一郎、林賢一)

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