経営学部

「現代マネジメント研究」 第3回 森川幸江氏 講義

2018.05.22

2018年度 中部学院大学・シティカレッジ各務原/関 公開講座

第3回 「女と男の物語」
弁護士法人 森川・鈴木法律事務所 弁護士 森川幸江氏

中部学院大学・中部学院大学短期大学部などがその構成員となっている「学校法人岐阜済美学院」は、2018年に創立100周年を迎えました。

これを機に、経営学部の前身である短期大学部経営情報学科時代から十数年間の伝統を誇る「現代産業研究」を新に「現代マネジメント研究」と改称し、全学的な選択履修を可能にするとともに、シティカレッジ関の皆様にも参加いただけるように生まれ変わってスタートしました。

5月22日(火)、今年度第3回の「現代マネジメント研究」を開催し、講師を弁護士法人森川・鈴木法律事務所の森川幸江氏にお願いしました。経営・教育・スポーツ健康科学の各学部生約250人が拝聴しました。

氏はまず、22年前にお書きになった共著『女性学』が今でも新鮮なのは、その頃から女性の立場がほとんど変わっていないからだと切り出されました。

テレビドラマの3大主人公は警察・医師・弁護士だと言われるが、これらの仕事は正義の味方なので、関わるときは自身が不幸な場面が多く、関わりたくない代表でもあるそうです。

森川幸江氏

さて、2017年に日本で起こった殺人事件は895件、うち60%が家族間のもので、中でも子どもが親をというのが一番多いとのこと。2位は男女間のもので、夫が妻をのケースが70%を占めています。明治以来、親子などの殺人は「尊属殺人」として一段重い刑罰が与えられてきましたが、平成7年に改正され、命は平等とされました。

しかし、これとは逆に、刑罰が厳しくなった犯罪もあります。
被害届がわずか18%しか出ていないレイプに関わる刑罰で、「精神の殺人」といわれるとおり、重い刑罰に処せられることとなったのです。今まで女性の性的自由が軽く見られていたのです。

家庭や夫婦間・男女の問題については、基本的に「法律は家庭に入らず」とされてきましたが、もはや愛情と信頼だけではどうにもならない世の中になってきていると強調されました。
夫の暴力に対し別かれたくても別かれられない妻たち、男性からひどい仕打ちを受けている恋人たちが絶えません。

学校でも男女の問題は複雑化しています。中学生・高校生の妊娠も珍しくなくなりました。
しかしどうでしょう。男性にも女性にもこのことについての責任は同じようにあるはずなのに、場合によっては男の子の将来にきずがつかないようなんの対処もせず、女の子だけが例えば退学を勧められるなどの指導を受けることがあるようです。
まだまだ変えていかなければならない課題は多くあります。

講義の様子

聴講する学生の様子

民事事件についても同じように、女と男の間に横たわる問題は十分に解決されているとは言い難い状況です。みなさんご承知のとおり、かつての我が国では「嫁」という観念が至るところで見られました。「家に入る女」の意でしょうか、結婚は親が決めるものとか、結婚には親の同意が必要だとかの時代が長く続きましたし、今でも、結婚後の苗字は男性のそれを名乗るのが普通であるなどなどです。
何故夫婦は同じ苗字でなくてはならないのでしょうか。何故98%の妻が夫の苗字に変えるのでしょうか。課題はたくさんあります。

そして、その反動でしょうか。離婚調停の申し立ては、妻からが約5万件、夫からが約2万件と、圧倒的に妻からが多くなっています。
夫の暴力に耐えられないは典型的な例でしょうが、出産の時に夫は柳ケ瀬で飲んでいたのは今後の夫婦の生活に期待が持てないや、エアコンスイッチのオンオフをめぐって嫌がらせを行い、相手に精神的な打撃を与える「モラルハラスメント」も多くなっています。

かくして、離婚の自由により生きる自由を手に入れたかに見える女性達には、母子家庭の貧困、女性の貧困が待っています。養育費の確保も外国に比べる弱いです。国によっては養育費を払わないと刑務所で働いて支払うという制度もあります。
非正規社員が多く、年収平均はおよそ180万円で、上司からのセクシャルハラスメントも多いと聞きます。彼女たちはそれでもダブルワーク・トリプルワークで頑張っています。行政が関わってこのような母親を援護している国は多いのですが、日本ではまだ少し距離があるようです。

先生は最後に、「女と男」で片付けられない物語として、いわゆるニューハーフに関する事例を挙げられました。この人に対し拘置所では、ブラウス・スカートは駄目、男用下着に限定など「戸籍通りに扱います」に終始したそうです。実刑になったとき、男性刑務所、女性刑務所のどちらにいくことになるのでしょう。

 

「女と男の物語」はここまできています。
学生諸君には全く新しい視点からの法律のとらえ方、市民の皆様や教職員には既成の概念を覆す、すばらしい時間でした。

学生達(写真)質問でも、先生が弁護士の道を歩まれた動機に大きな関心を持ったようでした。

(文:今井春昭 写真:野口晃一郎)

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