JICA 草の根技術協力事業

ベンチェ省での研修に参加しました

2019.08.02

現地で講師を務める山本あゆみ先生が、7月29日から8月2日までベトナムの子供たちを支援する会(SVCA)の主催によるベンチェ省での研修に参加しました。日本やベトナム国内から57名の参加者と共に、医療・福祉・教育とそれぞれの専門職がベンチェ省の皆さんと意見交換し、障害のある子供たちとその家族の思いに寄り添いながら活動を行いました。
研修は病院と障害児支援学校、家庭訪問の3グループに分かれ活動が行われ、3日間家庭訪問に参加しました。

家庭訪問について

3日間で5件の家庭訪問と孤児院を訪問しました。

家庭訪問では、日本側からは医師や理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、保健師、幼稚園教諭などが参加し、ベトナム側からは2か所の病院の理学療法士と支援学校の教師、郡の保健局の担当者、地域保健管理員(Y TE AP)などが参加しました。訪問後は家族から情報収集し、その後児の診察やリハビリ指導、どこにサービスをつないでいくかを家族も含め皆で検討しました。ベトナムの担当者が主体となり、それぞれの専門分野から前向きな意見を出し合うことで、障害児とその家族の生活が少しずつより良いものなっていくと感じました。

また家庭訪問を通して見えてきた問題点は支援学校や通院できない中度~重度の障害児に対してどのようなサポートを行っていくか、経済的な理由、または病院まで数時間かかるなど環境の要因もまだまだ改善が必要なところです。ハンドブックでは地域保健管理員は障害児の早期発見し必要なサービスに繋げていくという目的がありましたが、実際に家庭訪問を行い、発見した後、既に医療機関に繋がった後でも継続した関わりが必要であると感じました。特に今回訪問した多くのケースでリハビリの効果がないからとリハビリを中止されていました。リハビリの目的についてもそれぞれの認識に違いがあり、支援の継続の必要性を感じました。また養育のほとんどを祖母が行っているケースが多く、障害児の成長に伴い祖母の身体的な負担が大きいように感じました。障害児の成長に応じたケアの関わりが必要となってきます。身近に共に障害児の成長を喜び、支えてくれる第三者が家族にとって大きな助けになると思います。その役割が地域保健管理員に求められているのではないかと思います。

ハンドブックについて

ベンチェ省の保健省とSVCAによって作成されたもので、今回地域保健管理員に対して6郡でハンドブックの説明会が行われました。背景に障害者を支援するCBR(Community Based Rehabilitation)ワーカーが地域でリハビリを指導するボランティアでしたが、年々専門的な技術や知識を維持していくことが難しく、希望する人も減少し継続していくことが困難になりました。ベンチェ省ではそのCBRワーカーの障害児の早期発見や関連機関に繋いでいくという活動を地域保健管理員の仕事に追加することを決め、ハンドブックを作成しました。

※日本の福祉のしおりのようなもので、縦割りのベトナム社会において1冊のガイドブックの中に様々な省の情報が載ることはとても画期的なことです。

まとめ

研修に参加し地域で生活をする障害児の実態について学ぶことができました。その中で老年ケアプログラムの定着を目指す現プロジェクトの参考になる点が多くありました。老人会や地域保健管理員との繋がりが今後さらに求められていく過程で、彼らとどのように共同で活動を進めていけるか、どのように支援していけるかを今後考えていきたいと思います。

ベンチェ省で障害児の生活をより良いものにしていきたいという皆さんの思いが一つになったように、地域で生活している高齢者の生活がより良いものになって欲しいという思いを形にしていきたいと思います。今後、病院や地区保健センター、地域保健管理員などそれぞれの役割を明確にし、連携を通して解決できた事例や成功体験を増やしていくことがモチベーションの継続に繋がっていくのではないかと考えます。

また、これまでの活動はどこに問題があるか、何に困っているかという視点で見ていましたが、今回の研修を終え、今後は出来ているところや強みをもっと言語化して伝えていきたいと思いました。研修を通して、それぞれの専門職としての自己肯定感を高めていくことが活動の継続にも繋がっていくことを学ぶことができました。

この研修に参加できたことを感謝し今後の活動に繋げていきたいと思います。

地域保健管理員さんへ配布されたハンドブック
地域保健管理員さんへ配布されたハンドブック

講習会の様子
地域保健管理員さんへの講習会の様子

家庭訪問へ向かう様子
家庭訪問に向かっている様子

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